床下の湿気対策は万全か!
床下は、建物を支える上で最も重要となる土台部分です。普段は滅多に目にする機会が無い場所ですが、床下は適切な湿気対策を施さないと様々なトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
床下に湿気が溜まることで発生する代表的なトラブルは、カビやシロアリです。これらはどちらも湿気を好むので、適切な湿気対策を施さないと、建物を長持ちさせることができなくなります。また、床下に溜まった湿気は生活空間や壁にも伝わります。生活空間内でカビが発生すると、ぜんそくなどの健康被害につながる可能性がありますし、壁に湿気が伝わると木材腐朽菌が発生して木構造材に影響が及ぶ恐れがあります。さらに、湿気は木材だけでなくコンクリートも劣化させるので、状況に応じて適切な湿気対策を施すことが大切です。
ただし、全ての床下に湿気対策が必要というわけではありません。床下は、大きくベタ基礎と布基礎の2つのタイプに分けられるのですが、ベタ基礎の場合は基本的に湿気対策は不要です。ベタ基礎とは、立ち上がり部分と床一面を鉄筋コンクリートで一体化し、面で建物を支える基礎のことを指します。床一面が厚いコンクリートで覆われているタイプなので、地面から湿気が上がってくることはほぼありません。そのため、道路よりも低い位置に建てられていて、雨水が流れ込んでくるような特殊な条件でない限りは、湿気対策は不要です。
一方の布基礎とは、逆T字型の鉄筋コンクリートを地面の深くまで打ち込んだタイプの基礎のことで、立ち上がり部分のみで建物を支える構造となります。布基礎の場合も、床がコンクリートで覆われているため、一見しただけではベタ基礎と見分けがつきにくいものの、床部分を覆っているコンクリートが薄いので、地面から湿気が上がりやすくなります。そのため、布基礎の場合は適切な湿気対策を施すことが重要です。
代表的な湿気対策の方法には、調湿材や防湿シート、床下換気扇といったものがあります。調湿材は、周囲の湿度が高いときは湿気を吸収し、逆に周りが乾燥している際は蓄えた湿気を放出することで湿度調整をしてくれます。また、理論上は半永久的に使えるという特徴もあります。
防湿シートは、床一面に施工することで地面から湿気が上がってくるのを防ぐというものです。床下の湿気対策として非常に有効な方法ではありますが、構造上床一面に施工するのが難しいケースもあります。
床下換気扇は、文字通り専用の換気扇を設置する方法です。1階の床面積が30坪くらいまでの住宅であれば、2~4台程度設置することで除湿効果を得ることができます。ただし、電化製品であるため電気代がかかりますし、定期的なメンテナンスが必要で、漏電などにも注意しなければいけません。このように床下の湿気対策には何種類かの方法があるので、状況に応じて適切な対策を行いましょう。
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